「お付き合いありがとう、貴也くん」


結灯は、ショーにでも出る人のようにお辞儀をする。



「面白いもの見れたからいい」


そう言うと、嬉しそうに微笑む。




「面白いものなんて、
まだまだたくさんあるよ!

この町も、この町の人たちも。

みんな面白くて、いい人ばっかだから!





明日からよろしくね!」




「ああ」





昔『島流し』に会った人は、

都会にいた頃と違って、意外と色んな発見をするようになったのかもしれない。




高二の6月。

俺は、田舎に引っ越してきた。