「今から頑張れば、行きたいところにも行ける。
就職するやつも知識だけはつけといて損は無いぞ」




うわぁ…なんかまいてぃーの口からこんな言葉たちが出てくるなんて不思議な気分だ。



いつもテキトーなことしか言ってないから。



表情もいつになく真剣で少しカッコよく見える。



だからなのか、今日はみんな真剣にまいてぃーの話を聞いている……約1名を除けばね。



その1名とはさっきから本と睨めっこ中のふぅちゃん。




「まあ、とにかくテスト頑張れよってこと。じゃあこれにてHRは終わりだ。気をつけて帰れよ」




まいてぃーの珍しい教師らしい話が終わると、みんなそれぞれ帰る準備を始め出した。




「ねぇー、真心。あたし今回は本気でヤバイかも」




スクールバッグに教科書などを詰め込んでいると、



いつもならうるさいのテンションとはうって変わり、
今日はしょんぼり、と眉を下げて、らしくない様子の果歩。



珍しいな……。



ここ最近は京香ちゃんも加わり、三人で話していたから果歩と二人きりになるのは久しぶり。




京香ちゃんは自分の家からここの学校に通っているらしく、塾にも通っているから放課後一緒に過ごすことは少ない。