晃は、出番が終わると戻ってきた。
「絢、今日はちゃんと食べてる？」
「うん、美味しい。演奏すごくよかったよ。」
「よかった。」
と穏やかに微笑んだ。
「晃、お疲れ様。」
マリカが声を掛けた。
チラッと絢香をみると、
「この子は、晃の何？はっきり聞きたい。」
晃は絢香をみると、
「マリカ、今までは悪かった。でも、今は彼女だけなんだ。そしてこれからも。」
マリカはため息をつくと、絢香を見た。
「あなたの前で、こんなことを聞いてごめんなさい。久しぶりに再会したら、別人みたいになってて、ついイジワルしちゃった。あんなに、焦って女の子を追いかける晃なんて興味ないから。」
そういうと、さわやかな笑顔で戻っていた。
「絢だけだから。」
と不安な瞳を向けた晃に、
「わかってる。」
と絢香は笑った。
