「果歩〜、山口さん〜」
果歩たちに向かって手を振ると、あたしに気づいて笑顔を浮かべて、振り返してくれる。
山口さんは一瞬目を見開いてから遠慮がちに手を振り返してくれた。
緊張でもしてるのかな……?
「バスどうする?三人でアレだよね〜」
果歩がそういうと、山口さんが眉を八の字に下げて口を開いた。
「わ、私が邪魔だよね。
私のことはほっといて二人で座って……!」
これにはあたしと果歩は驚いてポカーンとバカみたいに口を開けて山口さんを見る。
「もう〜京香ちゃんってば何言ってんの?後ろで三人で座ろ?」
果歩が笑顔で言った隣であたしも「うんうん!」と深く頷く。
すると、山口さんはきょとん、とした顔であたしたちを交互に見る。
「い、いいの……?」
遠慮がちに口を開いたと思えば、そんなことを言った。
「いいに決まってるじゃん。あたしたち友達じゃん?ね、果歩」
「そうそう!真心の言う通りだよ!」
山口さんの表情はパァ、と花が咲いたような笑顔に変わる。
山口さんっていつも一人だったから、友達とこうして座るとかいう感覚がないのかも。
これから、山口さん……京香ちゃんのこともっと知って仲良くなれたらいいなー……と思った。
いい子なんだろうなあ、と雰囲気や話し方からわかるもん。