「ふんっ」



 俺が喚くと、
奈々はすぐに襟から手を離した。





「あー死ぬかと思っ「うるせーよ。
さっさと状況を説明しろ」



 俺が占められかけた首を片手で擦りながらボヤいてたら、奈々は俺を睨んで、威圧的に言い放った。


「………はい」




 ホント奈々が怖すぎる。




「まーまぁ奈々絵、いいじゃん!
あたしの兄だし……さ?」



 突如、めぐが奈々の肩を軽く叩き、
そんなことを言った。



 気のせいか、その声は震えている気がした。


 俺はめぐに、“ごめん”と奈々絵に気づかれないように、口パクで言った。それに気づいたらしいめぐは、俺にピースサインを返す。




「ハー、まぁイイけど」



 奈々はため息を吐いてから俺を見て、しぶしぶと頷く。


 た、助かったー!!




 俺は奈々の言葉を聞き、
思わずガッツポーズをしたい気分になった。



 まぁ流石に本当にしたらまた怒ると思うから、
堪えたけど。







 その後俺は2人を家のキッチンルームまで
案内し、状況を説明した。