それから数日後の日曜日の夜のことだった。

わたしは突然えれなに呼び出された。

えれなはわたしに話したいことがあるときは、たいていうちにやってくる。
そしてまずはお母さんとたわいない話しをしてから、私の部屋に転がりこんでくるというのがパターンだった。
珍しいなと思いながら、公園に向かった。


わたしが行くとすでにえれながベンチに座って待っていた。

「えれな、どうしたの?」

えれなの顔は青ざめて見えた。
日が落ちて薄暗くなっているからというだけではなくて、けわしくひきつっているようだった。

「……どうしたの? なにかあった?」

驚いてたずねたわたしに、えれなはスマホを取り出して見せた。

「……これ、理緒のインスタなの?」

一瞬、地面がぐらりと揺れ、頭の中が真っ白になった。
えれなのスマホにはわたしのアカウントがひらかれていたのだ。
ぞわぞわと血の気がひいて、身体中に鳥肌がたつような感覚に襲われた。


どうして、ばれた?


名前も顔も全然だしていないのに。

横澤さんたちからもれた?

そんなはずない、絶対にわたしの情報は守ってくれると言っていたし、横澤さんたちがえれなの存在を知るはずがない。


どうして? なんで?
答えられずにいるわたしに、えれなが画面をタップして一枚の写真を見せた。