「何回目だろ……。なんかいつも突っかかって喧嘩になるんだよね…」
しょぼん、と悲しそうに眉を八の字に下げて机に頬杖をつきながら言った果歩。
「ヤキモチ?」
「ううん。今回は価値観の違い的な?」
「へぇ。あたしにはあんまり彼氏なんかいたことないからわかんないや」
「真心も早くいい人見つけなよ!」
そういった果歩はさっきとはまるで違うぱあ、っと花が咲いたような表情であたしの肩をぐらんぐらん、と揺する。
「そんなに早く見つけられたら今になって苦労してないってば」
簡単に言えば、出会いがない。
合コンだって基本そういう場所は好まないから断るし、普段から男の子と関わりがあるわけでもない。
それに比べて、果歩は合コン好きだし、クラスの男子とかとすごい仲がいい。
あたしと果歩は似ても似つかない。
そういうの、心のどこかで羨ましいなって思ったりもしている。