今まで、学校で何を勉強してきたと言うのだろう。

これじゃ高い授業料をドブに捨てているのに等しいと思うのだけど。


「ただいま」


今日はひとりで帰宅した。

"三人組"が忙しそうなのをいいことに静かにあそこを抜け出してきたからだ。

また成宮 隼人に送られて、罵言を浴びせられるのは御免だ。


香川 佳穂は心配そうに私を見ていたけれど、そんなの気にせず帰ってきた。

まあ、何事も無く帰ってこれたんだから問題ないじゃないか。


玄関にはピンクのレースの花があしらわれたパンプスが一足綺麗に並べてあるだけだった。

その隣に自分が履いていたローファーを並べた。


扉のガラス越しにリビングの電気が付いているのを見て、吐息を零した。

……まだ起きてる。