同情的な眼差しで笑われて、ぶっくりと頬を膨らます。
晒し者なのは、お互い様。
学校の生徒や地区コンクールの人たちはおろか、もうすぐ全国の人々の目に触れると思うと、なんていうものを撮ってしまったんだという気持ちが、今は大きい。
「でもオレ、よく見たら格好よく写ってるし、まあいいや。こっちからわざわざバラすようなことを言わなきゃ、どうせ素人目には誰も気づきゃしねぇよ。それに、こんなに大っぴらに気持ちが全面に出てるのに、わかるヤツだけわかる、みたいなのも、なんか〝堂々とした秘密〟みたいな感じで、けっこう気に入ってるぞ、オレは」
だけど、すぐにあっけらかんとした口調でそんなことを言えちゃう百井くんの全部に、どうしようもなく惚れてしまっているんだから、もう仕方がない。
きっとこれは、惚れた弱みだ。
どんな百井くんだって好きだって思っちゃうんだから、言葉にせずにはいられなくなる。
「……わたし、百井くんのそういう躊躇なく言いきっちゃうとこ、たまらなく好きだなぁ」
「おまっ、こんなところでいきなりなに言うんだよ」
「いいじゃん、誰に聞かれても。どうせ全国まで行っちゃうんだよ? 気にすることないって」