「おい、バカニナ。なんでオレに無断でこんな写真をコンクールに出したんだ。いい晒し者じゃねーか」

「ふふー、おかげさまで最優秀賞を頂けましたこと、めちゃくちゃ感謝しておりますよ、百井くん」

「……チッ」

「照れない照れない。ついでに百井くんはコンクールに出られないことも、ひがまない、ひがまない」

「っざけんなコノヤロー!」

「あはははっ」


12月。

あれからまた1か月と少しが経ち、季節はすっかり冬になった。

学祭が終わってすぐに開催された11月の写真コンクールでは、恐れ多くも、なんとわたしの写真が最優秀賞なんていうものを頂いてしまい、今度は全国コンクールにまで出展されることになったらしい。

……らしい、なんていう表現は、あまりに他人事すぎる気もするけれど、だってまさか自分の写真が選ばれるなんて少しも思っていなかったんだから、仕方がない。

今は、全国コンクールに出展される前に一時的に写真が学校に戻ってきていて、たいそう立派な額に入れられ、校長室の前の廊下に堂々と飾られているのを百井くんと見に来た、というわけなんだけれど。


「出演料もらうぞ、ったく……」


このとおり、百井くんの機嫌は、すこぶる悪い。