「あの、私の家ここです。ありがとうございました」

軽くお辞儀もしておく。

「…おい、俺は認めねえから」

「は?」


無意識に声が出てしまって焦った。

危ない。本性がバレてしまう。


「言っとくけど、俺はお前が嫌いだ」

「……、」

言われなくてもわかってた。

全面に態度で示していたじゃないか。


それに私だってあなたたちが大っ嫌いだ。

成宮 隼人もあとの三人も。


自分勝手だし、態度がでかいし、なにより私と住む世界が違うから。


「今後、あそこに来るな」

自分から行くわけない。

行く必要性を感じられない。


私は否定も肯定もせず別れを告げた。



───「さよなら」