「トゥギャザー、ミー?セーヌリバー!!」




私は恥ずかしげもなく、最低な英語を話す。




「オッケー!」




親指を立てたアランに私は寂しさを覚えた。



純粋そうに見えてもやっぱりパリジャン…



観光客からのこんな誘いに軽く答えるくらい、簡単なんだ。





さよならアラン。



冗談で誘ったわけじゃない。


本気だったのに。




私はしょんぼりしながら言った。




「オーボァ…」



さよなら、アラン。


ステキなパリジャン。





アランは、少し不思議そうな顔をして、私を見た。




「オーボァ…」




アランの声が耳から離れない。






私は泣き出しそうな気持ちをごまかす為に明るく振る舞った。




まるで、最初から好きじゃなかったかのように。




悠希も聖もそんな私の演技に騙されないけど。



私達3人はセーヌ川へ向かった。