ガラッ。



扉が開く音と共に現れたのは、同じクラスの桃ちゃんだった。



優しい性格の、控えめな女の子。



胸まである黒髪を、ふたつにくくっている。



「宇佐美さん、あのっ…」



声を出したかと思うと、真っ赤になって黙りこんでしまった。



どうしたのかな?



桃ちゃんは普段あまり話さないし、緊張しちゃったかな?



「どうしたの?先生があたしを呼んでる?」



先読みして言ってみたつもりが、ブンブンと首を横に振っている。



違ったか~。



なんて言おうか考えていると、桜ちゃんがあたしの側に来てビラを指差した。



「これっ…お願いしたいの!」



「えっ、これ!?」