「2人とも、ちょっといいかな」



話しかけてきたのはクラスの委員長だった。


声をかけられた瞬間、私はゆんちゃんの後ろに隠れる。



「うーっ」


「コラ、威嚇しないっ!」



ペシッとおでこをゆんちゃんに叩かれ、大人しく威嚇を解く。



……でも声は出さずに目だけで威嚇は続行。




「ごめんね、委員長。この子精神年齢が3歳で止まってるから」



ちょっと!

ゆんちゃん今酷いこといったよね!?



「ううん、平気平気。いつもの事だからね」



委員長も普通に受け流してるし!!



2人して酷いっ!!



「で、何の用だったの?」


「あぁ、家庭調査書の提出がまだだから明日持ってくるようにって、柴ちゃんからの伝言」




柴ちゃんっていうのは、柴田先生という私達の担任のあだ名。


まだ30代で2人のお子さんがいるの。



「忘れてたわ。ありがとう」


「いえいえ」



委員長はそれだけ言うと、あっという間に私達から離れていった。