放課後はヤヨに駅まで送ってもらう。最近の日課。



ヤヨには文句言いたいこともあるけど、ぎゅっと手を繋いでたら
好きが溢れて、どーでもよくなっちゃう。
ヤヨはマジシャン。




「芙祐はクリスマスなにが欲しいの」



白い息吐きながら、ヤヨが言う。


ヤヨがクリスマスの話だすだけでなんか嬉しい。
楽しみにしてるみたいじゃん。



「指輪が欲しい」



「指輪?」



……なにその、嫌そうなリアクション。



「や、別に高いのが欲しいわけじゃないよ?」



「値段とかじゃなくて。なんか指輪って、軽率じゃね?」



……軽率。



軽率?


けいそつ?


「あ……そう」



わかんない。軽率の意味が。

いや、国語的にはわかるけど。
そうじゃなくて。




「じゃあなんかアクセサリーでいい?」



「うん」



「りょーかい」



指輪、却下された。

超ほしいのに。

てか、彼氏できて指輪もらわなかったことないんだけど。