胸下ほどまである長い茶髪はくるくるにまかれて、
最近切りすぎたって言ってた前髪は珍しく揃ってる。

いつもより童顔。結構好き。


大きなネコ目は俺を見つめるし、ピンクの唇はいつも口角を上げてくれる。


貧乳のくせに、なんか色気。


……ほんと、無理。


芙祐と付き合ってるってことが、未だに信じられなくなる時があるくらい。


好きすぎて、無理。





「ヤヨ、知ってた?今年のクリスマスって模試なんだって」


「知ってる」


「知ってたかぁ」


「うん」


俺が相槌をうつと、芙祐は話すのをやめた。


……なんの沈黙?



「そんな落ち込まなくても、クリスマスのたかが数時間が拘束されるだけじゃん」


ってフォロー入れたのに、
イベント好きな芙祐にはもちろん届かない。



あからさまに凹んでる。
ぶうたれてる。
しょげんな。



「ーーーっと、じゃあ。イブと…クリスマスの残り、一緒にいる?」




って、提案してみたら、




「イブも?いいの?」



目、キラッキラ。
俺を見上げて、パァっと表情が明るくなる。


やめて、その目。可愛すぎ。


玄関についたんだから靴を取れ。こっち見んな。




「ヤヨとクリスマス楽しみ……嬉しい」



長い睫毛を伏せて、目を細めて笑う。


ーーー。……無理。



「ヤヨも楽しみ?クリスマス」



「まぁ」



まじで、それ以上見つめないでほしい。



目をそらして、下駄箱から靴を取り出した。



「ヤヨのばか」



なんでだよ。