ふふっ。 思い出して、緩む口。 いやなことも、ハルくんを思えば吹っ飛ぶ。 ハルくんは口下手だけど、熱さを内に秘めた男の子だった。 早く会いたいなあ。 「真由ちゃん、行こっ!」 ゲンキンなもので、さっきの彼のことはすっかり頭から抜けおち、 間近に迫った再会に、あたしは胸を躍らせながら学校までの道のりを急いだ。