一回、お菓子がなかった時に陽と零が大暴れしたのが結果となって、今の大量ストックがある訳だけど。



あの量は異常だね。
あんなに食べんの? ってくらいあったから。



『夏も食べない? 中々美味しいよ、これ』


抹茶味のチョコレートを、私の隣に座りながらパソコンをいじっていた夏に手渡すと、嬉しそうに笑った夏がそれを口に含む。



ああ、それと。
最近わかったことの一つはまだあった。


それは、夏は結構私と似た人種だってこと。

みんなの為に、結構夜遅くまでハッキングとか頑張ってるのをよく見る。



たまに手伝った時の笑顔は、類に並ぶほどの殺人級の笑顔なんだよね。



『俺の顔じっと見て、どうかした?』



『あー、いや。なんでもない』



ジッと見ていたのか、夏の言葉に恥ずかしくなって、慌てて夏から視線を外した。


『……杏』


『類。おはよう』



いつの間に起きたのか、私に声をかけた類の方に視線を向けると、一瞬笑みを浮かべた類が、私の髪に手を伸ばしてくる。