何であんたまでベッドに入ってくるの。


そう思いながら軽く睨むと、少し考えたような素振りを見せた類が、閃いたように数回頷いた。


『……お前がソファで寝るのは許可しない。
が、お前も俺がソファで寝るのは許可しないだろ?』




……まぁ、そうだね。
私は客人だし、類の部屋で類のベッドだし。



そう思って類の言葉に頷いてみせると、だから寝ると言って本当に目を閉じた類は、それ以降一言も発しなかった。




…マジか。
この状況ですぐに寝るなんて、類って案外、マイペースなのかもしれない。



寝顔まで格好いいって事は、ムカつくけどこの際認める。


睡魔が襲ってくるまでの間、類の髪の毛をいじりながら、自然と笑みをこぼす。




麗華…ね。
お父さんとお母さんが初代っていうのは驚いたけど、感謝しなくちゃ。



人は、守るものがあるほど強くなる。

麗華はきっと、私に足りない物を与えてくれるはずだし。



少しして襲ってきた睡魔に逆らわず、私も布団の中に潜り込んでそのまま眠りに落ちだのだった。