あれ?私、抱き枕なんて持ってたっけ?


それに、抱き枕にしては、少しかたい気がする。


「…………」


何かがおかしいと感じた私は、気になって重たい瞼を開けてみると。


部屋の中は薄暗くて、その上、寝起きで視界がぼやけているせいであまりよく見えない。


だけど。


それが徐々にクリアになっていき、“抱き枕”だと思って抱き締めていた“それ”の正体が明らかになった、そのとき。



「キッ……!!」



“キャーッ!!”と咄嗟に悲鳴をあげそうになる自分の口をふさいだ。