矢継ぎ早に言葉を投げかけ、康介が踏み込むことのできないように防衛線を張る。

それがわかってるから、康介は不満そうにしながらもそれ以上は何も聞いてこなかった。




家に帰り、今となっては家着になってしまっている中学ジャージに着替えた私は、机の上の手紙と再びにらめっこをしていた。

何度読み返してみても、頭の中に浮かぶ数々の疑問は何一つ消化されない。


靴箱の中に入ってたってことは、うちの学校の生徒なんだろうけど……。


「誰なんだろ……」


心当たりは一切ない。

どんな人かなんて、検討もつかない。


「あーもう、やめやめ! 考えたって仕方ないっ」


頭をわしゃわしゃと掻いて、便箋を封筒に直す。

それを勉強机の右側の引き出しに入れ、私はお風呂に入る準備を始めた。