その後、同期会で飲んでる時の話し方だとか、たまに仕事で見かけた時の雰囲気だとか、小さな欠片が少しずつ積もって。
ハッキリ好意を自覚したのは2年前だった。

でも!でもでも!
モテるタイプだと思っていなかった彼は、実は密かにモテていて、何度も女子社員に告白されていたモテ男君だったのだ。
更に、そのすぐ後の課長昇進。

恋愛偏差値も低くて、女の子らしさの欠如を自他共に認めている私は、その事実を知った時に告白という選択肢を諦めた。

告白を諦めてさえしまえば、仲の良い同期としての関係は続けられるしね。
振られて気まずくなることも、避けられるなんて最悪の事態もない。


「美月は自分思うほど、女らしくないとおもうけどなー。それより、その下に下に向いちゃう考え方が恋愛的にだめなんじゃない?
仕事だとあんなにテキパキな出来る女なのにね。」

「女らしいじゃなくて、女の子らしくなりたいんですよ。」

ため息と一緒に言うと、冷酒をあおった。