そんな恐ろしい力が……私に?!



「やっ……やだ!いらないよ、何でも壊せる力なんて!」

「まぁまぁ……そう言うなよ。お前は今イジメられてんだろ?その力を使えば、奴らに報復が出来るぞ?」

「そんなっ……使えるわけないよ」



イジメられてるのは間違いないし、これからもしばらくその現状は変わらないと思う。



でも……だからって報復したいだなんて私は思わない。

いつかまた、前みたいに笑い合いたいって思ってるんだから。



「ねぇ……消してよ、この力を」



絶対に使わないんだから。



「右手の人差し指をステッキのように振って、壊れろって唱えてみな。そしたら指先にある物が壊れる」

「ねぇ、アーラ聞いてるの?」

「物か、もしくは人か?まぁ……せいぜいその力で俺を楽しませてくれよ?」



って……駄目だこりゃ。

ぜんっぜん聞いてないじゃんかぁ。



まぁいいや。

単に使わなければいいだけのことだし。