大丈夫なわけがないのに、そう聞いてしまった。
あたしの……バカ。
でも、どう声をかけていいかわからなかった。
面と向かって話すのは、かなり久しぶり。
「るりが元気そうでよかった」
お父さんは眉を下げながらニッコリ笑うと、あたしの頭をガシガシ撫でた。
温かくて大きなお父さんの手。
なぜだかわからないけど、涙が込み上げた。
「そんな顔するな。お父さんは大丈夫だから」
「……っ」
「るり、お父さんは負けないからな。みんなでうまいもん食いに行こうな」
「……っ」
ごめんね……。
ごめんね、お父さん……。
お父さんにそんな風に言わせてしまった。
お父さんからの「大丈夫」を聞くことで、あたしが安心したかっただけなの……。
ごめんなさい……っ。
ごめん、なさい。
支えなきゃいけないのはあたしの方なのに、あたしがお父さんに支えられてる。
なんて情けない娘なんだろう。
お父さんがいなくなることが、誰よりも怖くてたまらない。
でも、やっぱりお父さんは強くてカッコ良いね。
あたしは全然ダメだよ。
お父さんのことになるとすぐに涙が溢れてくる。
変わり果てたお父さんの姿を受け入れることが出来ないの。
見ているのがすごくツラい。