ケータイ小説 野いちご

花京院社長と私のナイショな関係

その後、栄養過多なエネルギー補給のおかげで復活した私は、恥ずかしさで気絶しそうな午前中を過ごした。

おかげで十分に回復しましたよ、ええ。
社長はいったいどういうつもりで。
いや、どういうつもりも何も、足りなくなった陽の気を補給してくれただけだろうけど、あれはやりすぎでしょう。
み、見つめたりとか顔撫でたりとか、触れる手も声も優しくて甘くて勘違いしそうになるじゃないか!
ありえないんだけどさ。あんなイケメンで背が高くて仕事ができてお金持ってて優しくて話が面白い人が私を…とかさ。
でもあーんな目で見つめられて。
「またキスしたくなる」って言われたら、キャーキャーキャー!


…ダメだ。冷静になれない。この補給方法は妄想とかあらぬ夢という副作用があるからダメだ。
次からは体がきつくても補給はお断りしよう。
じゃないと惚れる。
ただでさえ外見は超好みだし中身も素敵だし、惚れてしまう。
好きになったら、こんなに近くにいるから雪だるま式に好きが大きくなって、叶わぬ想いに負の感情が大きくなって、しまいにはピンク系の黒いもこもこ纏って社長にとり憑いてしまう…!

そうなったら、誰が社長を助けるの。助けるどころか取り憑いたら迷惑でしかない。
本末転倒。そんなことになったらダメだ。

ぶんぶん頭を振って反省した。
危なかった。うっかり好きになっちゃうところだった。キス恐るべし。
午後は気持ちを切り替えてびしびし仕事しよう。

そう思った数時間後。


社長がすごいものを背負っているお客様を連れて廊下を歩いていた。

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