家の前に着くと、うちの車とは別の黒い車が止まっていた。


誰か来てるのかな。


でも、お客さんなんてめずらしいな。


うちは、両親共働きだから。


不思議に思いながら、玄関を開けると。


男の人の革靴と、女の人のパンプスが綺麗に並べて置いてあった。


リビングの方からは、お母さんたちの楽しそうな笑い声が響ている。


やっぱり、お客さんが来てるんだ。


私は、挨拶しようと、ローファーを脱ぐとリビングのドアを開ける。


あぁ、コーヒーのいい匂いがする。


そんなことを呑気に思った次の瞬間。



「あ、美月、おかえり」



キッチンからちょうど出てきたお母さんが私に気付いき、声をかけてきた。


それを合図に、そこにいた大人たちみんながいっせいに私のいる方へと視線を向けてきたかと思えば。



「おかえり、美月」



なんで、お父さんがいるの?


たしか、朝仕事に行ったはずだよね?


しかも。



「おっ!美月ー!久しぶりだなぁ~!会わない間にもうこんなに大人になって」


「やだ、朝陽。美月ちゃんだって、もう大地と同じ高校2年生なのよ?でも、ほんとに風香によく似て美少女になったわね~!」



どうして、大地のお父さんとお母さんが!?