本人に聞いたところで、無視されるか教えてくれないのどっちかだよね。




…ていうか、なんで私こんなに柊くんのこと考えてるわけ!?

これじゃあまるで、私もファンの子みたいじゃん。




学級委員だから他の女の子と比べたら、彼と話す機会は多いのかもしれないけど、だからといって仲良くなったとか、距離が縮まったとかは全くない。




いつもお互い無言で作業をするか、口を開いたかと思えば、文句やら悪口やら、まともな会話など成立したことがなかった。




それでもちゃんと作業はやってくれるから有り難いけど。




「今日の授業はここまでだ。気をつけて帰れよー」




あっ、いつの間にか授業終わったんだ。




先生は荷物をまとめると、教室を足早に出て行った。




私も帰る準備をしていると、先に準備し終わった涼香ちゃんがやってきた。




「花ちゃんっやっと放課後になったね」

「うんっ今日は雑用もないし、最高だよ」




私はにんまりと笑いながら涼香ちゃんを見上げた。