春の夜はまだ寒く、時折吹く風が身震いさせた。




うぅ~さむっ早く帰ろっと。





ブレザーに両手を突っ込みながら、足早に坂道を下っていった。




そして家へと続くアスファルトの道を歩きながら、今日一日のことを振り返る。




なんか今日は色々と濃い一日だったなぁ~




朝から無理矢理学級委員に任命されるし、その上もう一人の学級委員が柊くんになるなんて思ってもみなかったし。




何かと柊くんと関わってしまうことになってる気がする…




正直、ファンの子に目をつけられるとか、あんま気にしないけど、面倒ごとに巻き込まれるのだけは嫌だからなぁ。




そう思うと柊くんも柊くんで案外苦労してるのかな。




「…ふふっ」




柊くんが迷惑そうにしている顔を想像すると、つい面白くて笑いが込み上げてしまった。




そしてそれと同時にお腹からぐぅ~と大きな音が鳴った。




あ~お腹空いたっ!もう考えるのはやめにしよ!

今色々考えたってどうにもならないわけだしっ流れに身を任せるしかないよね。




前向きな気持ちになると、ブレザーから両手をだし、駆け足で家へと帰ったのであった。