ケータイ小説 野いちご

いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。




……俺は好きだや愛してるの感情を自由に持てないんだ。

自分の意志で誰かを好きになるなんて……出来ないんだよ……っ。


だってそうだろ?

"俺の女"は、父さんが決めるのだから……。



「クソッ……!」



柏木へ立ち位置の警告なんてしておきながら、自分の立ち位置の方がよっぽどイラついてムシャクシャする。

でもすぐに、熱い感情が流れてくる。


教室で叫んだ柏木の声を思い出して。


"もうやめてっ……"


正直驚いた。


白鳥にいいように動かされてるだけだと思っていたはずの柏木が、たったひとりでクラスメイトに刃向ったのだから。


知れば知るほど、柏木は俺の予想の斜め上を行く行動をとってくる。

どこにそんな力をひそめてんだよ……。


ガラスを破った意味だって見抜かれてた。


柏木に向けられた注意を逸らすため……は自分への理由づけで、本当はいつまでもやめられない、父さんに執着した俺の甘ったれな行動。



……にしても、やり過ぎたな。

廊下にはガラスが散乱しているはずだ。

怪我してるヤツがいなきゃいいけど。


椅子を投げつけたその手をジッと見つめていると。


< 349/ 389 >