ま、いいか。

上がった私は、颯真の部屋に行って、ノックした。

「颯真!」

「なんだよ」

ちょっと焦った颯真の声。

「勉強教えてほしいなって思って」

「勉強?別に、いいけど」

やった!

私は颯真の部屋に勉強道具を持ってきて、颯真の隣に座った。

「で、何がわかんないの?」

「えっと、これ」

参考書を広げて指を指す。

大学入試にもよく出る重要ポイントの問題だから、解けなくちゃ困るんだよね。

「あー、これね。コツつかめば簡単」

すると丁寧におしえてくれた颯真。

肩と肩が触れそうな距離感にドキドキする。

「ええ!こんなんで出来るの?先生のいってなかったしー」

晴れて理解した私。

そのあとちょっと雑談してたら眠くなってきた。

「俺、トイレ行ってくるから」

部屋を出て行った颯真を見ながら、私はウトウトして、そのまま、床に倒れて眠り込んでしまった...。