「すくなくとも、俺は実花ちゃんが幸せならそれでいいやって思ってるぞ」



そう言って携帯を持っていない方の手でグーサインを私に見せる秀君。



「何があったのかは分からないけど、とりあえず今実花ちゃんと湊はモメてるんだよな?」


「なんでそのことも……」


「だって実花ちゃん、電話とるのためらってたし」



ああ、そうだった!!
バレて当然だ。



「……俺が人肌ぬいであげよっか」


「……はい?」



ニコリと浮かべた笑顔が恐ろしい。

思わず1歩後ずさると、そのタイミングで携帯がまた震えだした。