それから四人であぁだこうだ吟味した結果、車で三時間ほど走った場所にある高原はどうかということになる。
 そこには温泉も遊園地もあるから、という理由。


「そうと決まったら準備しなくちゃ」


 彩はすでにうきうき気分で、旅行の用意をしに部屋に戻っていった。


「お店、二日も休んで大丈夫?」
「たまにはいいでしょ」


 鼻歌混じりに、夕方の女子高生ラッシュの為にパフェ用のフルーツの仕込みをしながら、美樹は答える。
 彩とカクテルバーで飲んだというあの日以来、美樹はすっかり明るくなっている。
 何を話したのかは知らないが、いいことだと、悠は思う。



☆  ☆  ☆



 次の日は絶好のドライブ日和だった。
 まだ真夏のような暑さが残ってはいたが、吹く風には秋の気配が少しだけ混じっていて、とても清々しい気分になった。