「ではもう結構よ、お下がりなさい」


「……王女よ、では失礼致します」


パメラは、おどおどとするレオノーラの背を押し、謁見室から出て行きました。


グラディス王女は、その様子を横目で見ながら、勝ち誇ったようにひっそりと笑いました。


うふふ、これで私はあの娘以上に美しくなれるわ。
今ですらこんなに美しいのですもの。

妖精に出会って、私はもっと美しく、綺麗になるのよ。

グラディス王女は、もしかしたら自分は出会えないかもしれないなどと、露にも思っていません。


だって、私は清らかで、汚れもなくて、しかも高貴な王女ですもの。


グラディス王女はレオノーラの言葉を記した紙を握りしめて、家来に言いました。


「私はこれから旅に出ます。大至急支度しをなさい!」