その目をじっと見つめる土方さん。

そして

「はぁ。わかったよ…信じてやる。その代わりこいつがもし間者だったらお前が斬れ」

「わかりました」

沖田くんはニコッと微笑む。

うん。斬られるのかい。

すると、土方さんが話しかけてきた。

「お前。名前はなんと言う」

「桜です。」

「そうか。お前さっき江戸にいたと言ったな」

「? はい。言いましたけどなにか?」

「そんとき俺に一度会ってねえか?」

…は?何言ってんだ?

「土方さん何言ってんですか」

沖田くんが私の心を代弁してくれた。

いや、お前もだからな?

それにしても沖田くんといい土方さんといいなんなんだ

そういうの流行ってんの?

「わからないです。」

「じゃあ試衛館ってとこに行ったことはねえか」

しえいかん?

……試衛館!

「ああ!行ったことあります!5年くらい前に!!」

すると土方さんが怪訝な顔をした

「やっぱりか。そん時出迎えてやった奴いたろ」

「出迎えて…あ!はい!あのかっこいい男の子!

って、え? 」

男の子の顔がぼんやりと思い出される。

ちょうど目の前の土方さんを若くしたような……

「もしかして?」

私は土方さんを指差す

「そうだ。そのかっこいい男の子が俺だ。」

「ええええええええええ?!?!」

まじか!!!こんなとこで会えるなんて!!!

ウオォオオオオ!!!すごい偶然だ!!

「ちょっとどういうことですかっ?!!」

沖田くんが横から入ってきた。

「こいつな、一回試衛館に来たことあんだよ。」

「いつですか?!僕そんなの知りませんでしたよ?!」

「お前がちょうど寝込んでる時だからな」

「そんなぁあ!!!」

沖田くんは頭を抱えて崩れ落ちた。

あはは!こんなことするんだ沖田くんも。

「あはは!!沖田くんうけるwwwww」

「お前笑ってる場合じゃねえぞ。なんであの時の見た目が変わらねえんだ。」

ぐっ…するどいなこの人…

誤魔化せ私!

「はぁ?!老けたし!めっちゃ老けたし!あの時は18だったけど今は23だし!」

「桜さん23なんですか?!」

沖田くんが絶望的な顔をする

「なによその顔」

「年上だとはわかってましたけど、詳しくは知りたくなかったです」

「23ってのは普通大人の色気が出てる頃だぜ」

土方さんうっせぇ

「私に色気がないとでも?」

「どう見てもねえだろ」

「はぁ?!失礼ね!!あんたくらい欲情させてやるわよ!!」

「へぇ?じゃあやってもらおうか」

はっ! 何言ってんだよ自分!
バカじゃんバカじゃん!!

土方さんはニヤニヤと私を見てくるし…

「〜〜〜!!

後に引けない私は土方さんに近づき、

顔をずいっと耳元に近づけた。

その時ふわっと土方さんのいい匂いがした

「…ああああ!やっぱダメだ!

私は土方さんから離れ顔を覆う。

「ほら。ガキじゃねえか

土方さんはくっくっ…と、喉を鳴らして笑っている

「土方さん冗談でもそういうことやめてください!!!

お、沖田クーーン!!

「いいぞ!沖田くん!言ってやれ!

ちゃちゃを入れると沖田くんは私も睨んで、

「桜さんもそういうこと簡単にしないでください!!

「ご、ごめん…

沖田くんのあまりの迫力に素直に頷く私。

沖田くんはプリプリしたまま部屋を出て行った

「…なんで沖田くんあんなに怒ってんの?

独り言のように呟くと隣から答えが返ってくる。

「くくっあの女嫌いの総司がねぇ〜

「あ!そういえば沖田くん女嫌いなのになんで…

私を止めたんだろう

そう言おうとしてきづいた。

私が昨日ここに忍び込んだことは内緒だった。

「あ?なんだよ

土方さんはガラの悪い顔で睨んでくる。

「いえ、なんでも

「ふーん…

疑いの表情でめっさ見てくる土方さんは置いといて、

「で、私帰っていいんですよね?

「あ? あぁ…そうだったな。悪かったな。行っていいz…