私がこんな想いを抱いているなんて 幸せな君は知らないんだろう。
もしも 君が私の想いを知ったら。
やっぱり怒るのかな。


こんな想い 早く消え去ってしまえばいいのに。
幾度となく撫ぜて 擦って 抉っても消えないこんな想いなんて。


私は思う。
私の宝物は なんと歪で 醜いのだろう。と。
そしてその持ち主の私は なんと愚かなのだろう。と。


私の宝物は私だけのものだ。
失くしてしまうくらいならばいっそ、
他の宝物で潰して 壊してしまえばいい。


粉々になるまで。綺麗に。


その残骸さえも醜いというのなら真っ白に染め上げてしまえばいい。
そうすれば、喩え歪で醜かったとしても
それが醜かったと知っているのは私だけになるから。


そしてその記憶も 他の記憶で隠して忘れてしまおう。
そうすれば私の宝物は 最後まで私だけの物なのだから。