「やぁ!!!
バシーン!!
「おっ今のはいい感じじゃ。もうちっと踏み込んでみぃ!
「はい師匠! おりゃー!!
バチーーン!!
「っよし!今日はこれまでにするかの。しっかり柔軟しておくのじゃぞ桜
「はーい!師匠ありがとうございました!
竹刀をしまって床に座り、足を広げる。
「春じい!押して押して!
「ほいほい…仕方ない奴じゃのぅ
春じいが私の後ろに立ち、徐々に力を入れ背中を押していく。
むぐぐぐ…
「桜
「なあに?
「お主はなんで剣を握る?
「?
突然そう聞いてきた春じい。
剣道をしてれば自然と握らさるもんじゃないのかなぁ…
「はっはっはっ!お主にはまだ早かったかの
頭の中でハテナを浮かべる私を豪快に笑い飛ばす春じい
「まぁ今はわからんでもやっていれば自ずと見えてくる。人はなにか目的を持った時どんな相手にも負けぬ強さを持つんじゃ
私の頭に手を置き、くしゃっと笑う
「えー?でも女よりは男の方が強いよ?
「くくっ…そういう強さではない
「ふーん?よくわかんない…
「いずれわかる さぁ。今日はもう終いじゃ 風呂に入って来い
私は背中をばちんと叩かれた。
「いたーい!もうちょっと手加減してよね!
「愛じゃ愛
「…春じいはなんで剣を握るの?
「わしか?わしはなぁ…
ピピピピピピ……
「ぅ、ぅーーん…
最高に耳障りな音が鳴り響き、布団から顔を出すと、カーテンから漏れる光が顔面を直撃した。
まぶしっ…
ピピピ…カチ
目覚ましを止め意識が覚醒するのを待つ。
…今日の夢
あれは…6歳ごろの記憶?
春じい… 私に剣道を教えてくれた…師匠…
あの後、春じいはなんて言ったの…?
スゥっと意識が消えていった。