そんな俺の様子に気が付いたらしく、心配そうに覗きこんでくる。
「どうしたのアーサー、もしかして寒い?」
さっきより近くなった距離に、心臓が早鐘の様に鳴る。
「そうだ、俺の上着貸そうか…濡れてるけど、何もないよりましでしょ」
そう言って、フランは俺に上着を羽織らせた。
残っている体温と、フランシスの匂い。
ああ、頭がくらくらする。思考が働かない。
「フラ、ン」
「なに…」
気付けば、目の前の顔に口づけていた。
「んっ…!?」
「ん……」
「ちょ、坊っちゃっ…ん、ふっ……!」
ぴちゃ、と濡れた水音が響く。
「ふぁ……ん、んぅ…」
始めこそ抵抗してはいたものの、次第に深さを増すキスにフランシスの目は蕩けてゆき、我に帰ったアーサーが口を離す頃には