「3-6ってことは、理系かな」

「でも女子クラスとかあった頃だから、今と全然編成違うだろ」

「そうか」



この高校はもと男子校で、今でこそ男女比が2:1くらいまで均されたけれど、昔は女子のいないクラスもあったのだ。

机と椅子がいくつか転がっているものの、全部汚れていそうなので立ったままアルバムを眺める。

靖人に片方の端を持っていてもらい、部活動のページに移った。



「何部だったんだ?」

「知らない」

「そのくらい聞いとけよ」

「よく野球中継見てるから、野球部かな?」

「髪長かったじゃん、絶対違う」

「確かに」



運動部のページから、ひとつひとつ見ていく。

テニス、ラグビー、バレーボール…いない。



「靖人、よく健吾くんの顔、覚えてるね」

「見たしな」

「一回だけでしょ?」

「強烈だったもん、インパクト」



つきあいだして2か月くらいたった頃、家まで車で送ってもらったとき、ばったり靖人に会ったのだった。

それ以降、必ず1ブロック手前で降ろしてもらうことにしている。



「もう、マジでやばいことやってんのかと思った」

「健吾くん、スーツだったもんね」



それで助手席にセーラー服の私を乗せていたんだから、靖人からすればそう見えたのもまあ、わかる。

というより、世間から、だな。



「あっ、いた、陸上部!」

「ほんとだ」



この頃の陸上部、こんなに人数いたんだ。

みんなユニフォームを着ていて、健吾くんは最前列で片膝をついて、横断幕の端っこを持っている。

靖人が身を屈めて、つやつやしたページをじっくり眺めた。