ケータイ小説 野いちご

いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。




『彼氏が知ったら、どう思うだろうな』



よみがえったのは、悪魔のような声と触れた唇の感覚……。



「う、ううんっ。……ペアリング……すごくうれしい……」



唇にキスの跡なんて残ってないのに。

間近で見られたらバレる気がして、恥ずかしいふりしてうつむいた。



「なら良かったあー」



すると律くんは安心したように言って、あたしをグッと抱きよせた。


あたしの一言に顔を曇らせたり喜びを爆発させたり。

もったいないくらい、律くんはあたしに沢山の"好き"をくれる。



……どうしよう。


白いシャツの胸元に顔をうずめながらも、あたしの脳裏を支配するのは黒崎くんの不敵な笑み。


消したくても、消えてくれない。

その顔も感触もなにもかも。



あれは事故だよ。

あそこにあたしの意志なんてない。


そう思っても、黒崎くんと唇が触れあったのは確かで。



あたしの心は今、

罪悪感で黒く塗りつぶされていた。



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