しかし、その安心も束の間。
「このラブレター落ちてたんだけど、誰に渡そうとしたの?」
……え?
「きっとこれもらった人うれしいと思うよ」
え、え?
どうゆうこと?
ハイと返されたラブレターを受け取る。
意味がわからずしばらくフリーズする俺。
そしてまさかと思って中身を確認すると宛名が書いてある一枚目が一番最後になっていて、まさかの三枚目として書いたものが一番手前になっていた。
……そしたらなに。
藤田はこの一枚目を見ただけでまだ三枚目にたどり着いてなく、この手紙の宛先が自分ってことに気づいてないってこと?
「…………」
マジかよ!!俺!!
バカかすぎかよ!!俺!!
好きな女の子からラブレター返されるなんて、笑えない冗談にもほどがある。
「ふふっ!」
……でも。
最近ずっと悩んでそうな顔をしてたから。
この笑顔を見られてよかったのかもしれない。
「どうすればいいと思う?」
ここから始めよう。
友だちから。
話すことから。
俺は藤田が好きだから。
彼氏がいても。
それがたとえ、学校中の人気者でも。
いつか言いたい。
あなたの笑顔が好きです。
あなたのこと一生守ります。
だから俺と、付き合ってください……って。
【番外編、終わり】