心がぐらぐらと揺れているのを自覚する。


学校を出てからも心臓が妙に落ち着かなくて、それを忘れたくて私は俯いたまま駅に向かってずんずんと歩いた。


青磁のせいだ。

むかつく。


あいつが私のことを嫌いなのは分かっている。

それは別にいい。人間同士なんだから、合う合わないはあって当然だ。


私だって青磁なんか大嫌いだし、話したくないし、できれば視界にも入れたくない。


でも、あからさまに仲が悪いそぶりを見せたら、周りが気をつかう。

だから、嫌な気分を飲み込んで、あえて話しかけているのに。


それなのに青磁は、私が話しかけるたびに、不愉快そうな顔をして冷たい対応をするのだ。

私の努力を無駄にするように。


いくら私がクラスの雰囲気を悪くしないように気を回しても、あいつのせいでなにもかもが台無しになってしまう。

本当にむかつく。

あんなやつ、大嫌いだ。


ぐるぐるとそんなことを考えていると、いつの間にか駅に着いていた。

改札を通ってホームに降りる。


地下鉄の駅の構内は、いつもむっとした湿気に満ちていて、歩いているだけで肌がべとついた。

湿気がマスクの中にまで入ってくるようで、気が滅入る。