どうしてアナタは、わたしを掴んでは胸を高鳴らせてくることばかり言うんだろう。 欲しい言葉ばかりを言ってくれるんだろう。 「わたし、も……」 素直にならなくては。 杏奈のように可愛いげは足りなすぎるけれど。 「ん?」 ずいっ、と罪のような美しい顔を近づけて、硬直するわたしの顔を覗き込んできた。 言葉の続きを早くと急かすような涼しげな目元に、ドキドキと胸が激しく加速する。