そんなイケメンが、なぜうちに。

……ダメだ。
考えたところで答えは見つからない。



「名前は?」



「えっと……二條実花(ニジョウ ミカ)です。ニジョウのジョウは、簡体表記じゃなくて旧字体の條で、実る花でミカ」



そう言うと、目の前の王子様……じゃなかった。

男の子は目を見開いた。


おお、イケメンは驚いた表情ですらもかっこいい。



「まさか……優花(ユウカ)さんの娘?」



「そうですけど……なんでお母さんの名前を?」



……下宿先から帰ったら、実家にいたイケメン。

この謎の鍵を握っているのは、きっと間違いなくうちのお母さん。