去年は、拓海が落ち着かせてくれた。
敵同士だったのに。
はぁ。息づかいが荒くなる。
「莉子。落ち着いてね。」彩香が、落ち着かせてくれる。
大丈夫だから。
「本田さん、頑張って!」私は、松田くんのバトンを1位で受け取る。
「はぁっ!・・はぁっ!」私は、1位でかけ抜ける。
「(もう少しだ!拓海が待ってる、バトンをつなげよう!)」私は、ふと拓海の顔を見る。
「えっ。」拓海の顔は、とても冷たい目をしていた。
「バタッ!!」私は、足をくじいて大胆に転んでしまった。