「新田くんに何か言われたの?」彩香の顔が、引き締まる。
「いや、別に・・何も言われてない。」そう言ってる間も、私の目から涙は流れてる。
「何も言われてないわけないでしょ!泣いてるじゃない!」今、誰とも話したくない。今口を開いてしまったら、もっと涙が流れてしまいそう。
「ごめん。今日の練習は、私参加できない。帰るね。」私は、急いで教室に戻って、カバンを取りに行った。
「ちょっと。待って。」まさか、まだ拓海教室にいないよね?いたら私帰れないじゃん!
「ガラ・・」私は、恐る恐るドアを開ける。
「はぁ。良かった。」もう拓海の姿は、どこにもなかった。
「よし、帰ろう。」私は、ホッと胸をなでおろした。
「・・・」私は、無言で彩香たちのそばを通って校門を出た。