ケータイ小説 野いちご

仁意那隊長は檻から抜け出る

「ここでーす!校門から出て下さーい!」

廊下で走ってくる一年生を誘導する。

「お姉ちゃん!」

「ゆっちゃん!」

ゆっちゃんはそのまま走って逃げていく。私と満は駄目でもゆっちゃんは無事に帰ってほしい……

「お前ら!逃げるとどうなるか……」

「その物騒な物仕舞いなよ」

警備隊に走って突っ込んでいき、驚いた警備隊の手首にチョップをくらわす。手に持っていたカッターは床に落ちた。

「由香ちゃーん、こいつ連れてってー」

「かしこまりましたー」

由香ちゃんがこっちに来て、茫然としている警備隊を引っ張って行った。

「一年生が詰まってきているねぇ」

「理科室前の廊下まで続いていますよ」

出来るだけ早く逃がしたいな。そうじゃないと警備隊に捕まっちゃう。

「隊長!突然大勢の警備隊が!」

理科室近くの階段から駆け降りて来ているらしい。

「もう駄目かもしれません……」

報告に来た一年生が俯きながら言った。

「全員、今やっていること続けながら聞いて。これは隊長命令」

俯いていた一年生は私を見る。他の皆も聞こうとしている。

「絶対に、全員生還。死んでもいけないし、警備隊もあいつも……錐山も殺しちゃいけない」

作戦前にも、木下たちが言っていた。防衛のつもりが、エスカレートして傷つけたりしないようにと。そして、この作戦の目的は生徒全員の解放であることも。

「要、誘導よろしく!私は警備隊を止める!」

「はい!」

人混みの中を突っ切って階段に向かう。警備隊は階段を下りてきたところだった。

「反逆者だ!捕まえろ!」

「十二人か……めんどくさ」

警備隊の攻撃をかわして、階段から落ちそうになったのを捕まえようとする。その時、後ろから押された。バランスを崩したが、下まで落ちることは無かった。

「いったぁ……」

足が赤くなっている。少しすりむいたらしい。

「大丈夫ですか!?」

2年生の解放隊の蓮奈ちゃんと真莉ちゃんが助けに来てくれる。

「あっ待て逃げるな!」

警備隊が隙を見て逃げ出そうとする。卑怯な手を使ってきたのでこっちも卑怯で返す。足元に紙を滑らせ、驚いてバランスを崩したところを蓮奈ちゃんと真莉ちゃんが捕まえる。一年生の方に行った奴らは膝カックンでその後帰ってきた由香ちゃんに引き渡す。

「かなりやられたな……足痛い……」

この様子じゃ防衛隊の手伝いは行けないなと思った。

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