要のおかげで一年生のメンバーが増えた。二・三年も徐々に増えてきて、人数不足は解決した。

「この調子なら、1週間後くらいにはいけそうだな」

リーダーの木下がそう言うと、みんなやる気が出てきて予定より早く進んだ。


「遂に、明日反乱を起こす。その前に、作戦の確認をしよう」

夕方の技術室で電気を点けずに集まった。いつも通りカーテンが閉まっているので誰にも見られない。明日と聞いてみんなが騒ぐ。

「イェーイ!」

「よっしゃあ!」

「ウェーイ!」

拍手したり踊り始めたり……高岸が見つかるぞと注意するとみんな大人しくなった。

「放送で笛の音がしたら、作戦開始だ」

放送室で笛の音を流すのは、その日の当番の五木と中林だ。

「そうしたら、みんな騒いで先生や警備隊を混乱させる。できれば警備隊たちを無力化させてほしい」

警備隊たちは洗脳され、武器(ほうきやカッターナイフなど)を持っている。しかし、武器を奪う、又は洗脳を解けば相手は同じ生徒である。洗脳の解き方は図書室の本で調べた。

「混乱に乗して解放隊はそれぞれの担当の学年を出口へ案内する。もし洗脳されていて外に出ると邪魔をしそうな人がいたら近くにいる洗脳解除班に連れて行ってもらう」

ここが私たち解放隊の仕事。警備隊が来たらそれを防衛隊と一緒に防がないといけない。