ほんとはよくなんてない。


まだ、好きだし、そばに居たい。


だけど、私では立場が違うし、一翔を笑顔にはできないってこと知っちゃったから。


折角浴衣を着て気晴らししに来たのにまた一翔の事考えちゃうなんて…。


「梨華、あんまり食べるとお腹壊すよ?」


朋香はそう言って笑った。


「だいほぉーふ!」


朋香がそう言うのも仕方がない。


なんせ、私は今右手に焼きそば、左手に綿あめを持って食べ歩いている。


「もー、女の子なんだからちゃんと考えて食べなきゃだめでしょ?」


朋香はそう言って私にハンカチを出してくれた。


「ありがとーっ」


綿あめでべたべたになった手を近くの水道で洗った。