「何故ここから出たか、説明しろ」

「さっ沢野さんの怪我がひどくって……っこのままじゃ駄目だと判断しました……私が勝手に連れだしたので、沢野さんは……罰さないでください!」

何とか言えた。あいつに敬語使うのは嫌なんだが仕方がない。ここはできるだけ被害を少なくしよう。

「そうか……ならばお前は一週間誰とも話すな」

ニヤニヤしながら私に命令する。蹴飛ばしたいが今はできない。脱出したら社会的に終わらせてやる。
沢野さんには何もなくてよかった。沢野さんは私を心配そうに見るけど、私は笑顔を見せた。

学校に戻ると皆が心配して駆け寄ってくれた。大丈夫と伝えたいので、黒板に書く。皆に伝わったらすぐに消す。話すなと言うのなら書けばいい。伝える方法なら他にもあるんだし。
私は筆談で一週間をやり過ごした。