「いい加減にしてよ!」

オフィス中に響き渡る声。


周りにいる人たちが
亜美と高山を見つめている。


亜美は机をバンと叩いて
立ち上った。


「まじめに仕事してんのに
ちょっかい出してこないでよ!


ウザい」

亜美が怒る姿を見て


教育係の俊介が
すぐ飛んできた。


亜美と高山を心配そうに
見つめた俊介は


2人に声をかける。


「どうしたんだ?
なにかあったか?」


声をかける俊介に
亜美が苦情を言おうと


した瞬間

高山が立ち上がり
俊介に頭を下げた、


「すいません。


俺が仕事に集中してなくて
鼻歌とか歌ってたのを

隣の人に注意されちゃって。
気を付けます」


俊介は頭を下げる高山に
にっこりと笑いかけた。


「仕事中に鼻歌はだめだが
反省の態度は良いね。


まあ人間だから
たまには集中が途切れることもあるさ。


亜美さんも許してあげてね」


笑顔で俊介にそう言われると
亜美はもう何も言うことが出来ない。


「じゃあ仕事に戻ろう。
2人とも頑張ってね」

笑顔の俊介は
そう言って戻って行った。